権田事務所通信11&12月号~社員の頑張水準の数値算出方法②

以下は、ごんだ事務所通信11&12月号から①

~社員の頑張り水準の数値算出方法  の続きになります。

 

 

「労働分配率」との違いは?

 

前回でみた「労働生産性」って、よくみると、アノ比率とよく似ていますよね?

 

そう、経営分析の際、よく登場する「労働分配率」です。

「労働生産性」とはどこが異なっているのでしょうか?

「労働分配率」は、「労働生産性」と分母と分子が逆になっています。

「労働分配率」は、今から50年ほど前に、もともと給与を巡る労使交渉の目安として活用されていたもので、

じつは、人件費の膨大化を抑制するための指標だった、らしいのです。

この指標では、「限界利益」を起点として、それがどれほど人件費に配分されたか、を意味しますが、

業績が振るわないととたんに大きくなってしまう、ちょっと残念な指標が「労働分配率」です。

 

一方、「労働生産性」では、人件費を起点にし、社員の能力を育てることで、成果を上げて、その結果、給与アップを実現していく、というポジティブ発想になっています。

目標利益を出すために、人件費をなるべく抑制させる「労働分配率」とは逆の思想といえますね。

 

 

マクロ的に見た、社員の活動価値マネジメント

 

“社員固定費(人件費)が限界利益を生み出すチカラ”を示す「労働生産性」。

社員の全体の成長と努力の指標という視点でみたとき、「労働生産性」を昇給や賞与の指標のひとつとして考えることもできると思います。

もちろん、社員一人ひとりの能力、職務内容や業績など、一定の考慮も要ですが、

会社全体、すなわちマクロ的視点での昇給や賞与の全体額を、利益と連動させるという視点を考えてみます。

 

この場合、社員全体の活動によって生み出される価値(=限界利益)が、前年よりもアップすることを目標にして、それを昇給や賞与の根拠にする という考え方をします。

 

次回に続きます。。

 

※上記の内容は、石 光仁先生のご著書をもとに記述させていただいております<m(__)m>。