不確実性 満載だけど大事にしたいビジョン
「『役に立つ』という言葉が社会をダメにしている。」と語る東工大の大隅良典名誉教授。
これは、日本における、「基礎研究」が軽視されつつある危機感ですが、そういった分野以外の観点でも、
最近、長期的なビジョンでモノゴトを捉える、という視点が(現在では)、日本(人)は少なくなったのかも~って思うこともあります。
「基礎研究」の成果は、もちろん短期間では現れないし、成功するかもしれないし、まったく成功しないかもしれない、という不確実な要素が満載です。
一方、AI(人工知能)などの分野では、早くも経済効果などが バシッと算定され、その取り組みに本腰を入れるため 政府は、国家予算をしっかり組んでいます。
新聞を読んでいても、AIという言葉が登場しない日は一日もないほどです。
いわば、IT関連分野はオモテ、基礎研究は地味なウラ面、という感じ。
どうしても陽がサンサンと当たるところが歓迎されてしまいがちです。
大隅教授と同じくノーベル賞を受賞した山中伸弥教授のことばも印象的でした。
それは、かつて研究先だった、アメリカのグラッドストーン研究所で、当時の研究所長ロバート・メイリー先生が、「研究者として成功する秘訣はVWだ」と話されたというお話。
VWは(メイリー先生が乗っていた)フォルクスワーゲンのことではなく、Vはビジョン(Vision)のV、WはWork HardのW。
つまり、「ビジョンは長期的な目標を立てること、そしてハードワークは一生懸命働くことで、その両方が必要。」という教え。
山中教授は、このことばをとても大事にされて研究をされていましたが、
最近は、”ハードワーク”という考え方も、『働き方改革』まっただ中の日本には、相性のよくないものではあります(>_<)。
ちなみに、山中教授は、基礎研究の成果によって、日本人の健康寿命と平均寿命の時差(=介護期間)も縮められ、それによって膨大な医療費も大幅に軽減することができる、と説いていました。
まさにこれって 国を挙げて大事にしたいビジョンなんですけどね。
・・・そして、同じく!!
私たちが改正の場面や実務で触れる税法も、日本(人)にとって、真のビジョンが欲しい~~と 一専門家として、本当に思うところです。
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公認会計士・税理士 権田 俊枝
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