「会社の健康診断㉜」では、「貸借対照表」から運転資金に関する指標として説明した、「運転資金の調達が必要となる期間」を使って、「必要運転資金」について説明しましたね。

「必要運転資金」は「運転資金の調達が必要となる期間」を使った計算式では「必要運転資金　＝　年間売上高　×　運転資金の調達が必要となる期間　÷　３６５日」で算出をします。

 必要運転資金の金額が大きいほど、資金繰りが悪化する要因の１つになります。必要運転資金が自己資金で賄えればよいのですが、もし賄えられない場合には金融機関から資金調達をすることになります。

そのため、運転資金を最小限に抑えるようにして、会社の資金繰りをよくしていきましょう。

 

 それでは、今回の「会社の健康診断㉝」では、「必要運転資金」のもう１つの算出方法を説明します。 

 

●会社の健康診断㉝～運転資金を診てみよう⑥～

 

・必要運転資金

 

前回の「会社の健康診断㉜」では、「売上債権回転期間」「買入債務回転期間」「たな卸資産回転期間」を使って算出する「運転資金の調達が必要となる期間」から「必要運転資金」を算出しましたね。

実はもう１つ「必要運転資金」を算出する方法があります。

それは、貸借対照表から「必要運転資金」が算出できます。貸借対照表を使った「必要運転資金」は下記の計算式で算出します。

 

必要運転資金　＝　(　売上債権　+　たな卸資産　)　―　買入債務　

 

上記の「貸借対照表」から「必要運転資金」を算出する方が、「運転資金の調達が必要となる期間」から「必要運転資金」を算出する方が簡単かもしれませんね。

 

この「必要運転資金」を算出するにあたっての注意点として、最新の貸借対照表を使うことです。

前年度よりも大きく売り上げを伸ばしている場合、それだけ材料を仕入れて在庫を持ち、仕入れの支払金額が大きくなったりするなどして、「必要運転資金」の金額が多くなるケースがあります。

 

そのため、月次で試算表を作成するなどをして、常に最新の会計データを見れるようにしましょう。

 

 

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