平成30年度税制改正⑬~相続税・贈与税編その8~

前回の「平成30年度税制改正⑫~相続税・贈与税編その7~」では、特例事業承継税制(非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度)の創設による要件緩和等のとして「特例承継期間経過後に会社を解散等した場合の納付税額の見直し」について説明しましたね。

 

従来の事業承継税制では、納税猶予の適用を受けているM&Aにより譲渡した場合や会社を解散した場合には、納税猶予が終了し、相続税や贈与税を納付することになっています。しかし、特例事業承継税制により、「経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合」特例承継期間経過後に、『①特例認定承継会社の非上場株式を譲渡するとき』『②特例認定承継会社が合併により消滅するとき』『③特例認定承継会社が解散等』などの行為が行われたときには、一部の納税猶予額を免除する(残りを納税する)規定ができましたね。

 

今回の「平成30年度税制改正⑬~相続税・贈与税編その8~」でも、特例事業承継税制の創設による要件緩和等について説明します。

 

●平成30年度税制改正⑬~相続税・贈与税編その8~

 

「特例承継期間経過後に会社を解散等した場合の納付税額の見直し」で、納税猶予税額の一部免除となる「経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合」は、以下のいずれか(特例認定承継会社が解散をした場合にあっては、下記の⑤を除きます)に該当する場合をいいます。

 

①直前の事業年度終了の日以前3年間のうち2年以上、特例認定承継会社が赤字である場合

 

②直前の事業年度終了の日以前3年間のうち2年以上、特例認定承継会社の売上高が、その年の前年の売上高に比して減少している場合

 

③直前の事業年度終了の日における特例認定承継会社の有利子負債の額が、その日の属する事業年度の売上高の6月分に相当する額以上である場合

 

④特例認定承継会社の事業が属する業種に係る上場会社の株価(直前の事業年度終了の日以前1年間の平均)が、その前年1年間の平均より下落している場合

 

⑤特例後継者が特例認定承継会社における経営を継続しない特段の理由があるとき

 

ただし、下記の場合には、下記に示す上記の要件について、「直前の事業年度終了の日」を「直前の事業年度終了の日の1年前の日」とした場合にそれぞれに該当するときについても、「経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合」に該当するものとします。

上記①、②、③の要件について、「特例認定承継会社の非上場株式の譲渡等が直前の事業年度終了の日から6月以内行われたとき」

上記④の要件について、「特例認定承継会社の非上場株式の譲渡等が直前の事業年度終了の日から1年以内に行われたとき

 

※特例事業承継税制の適用は、平成30年1月1日~平成39年12月31までの間に贈与や相続等により取得する財産に係る贈与税や相続税となっています。

 

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